富太郎の日常113 『 い形容詞 』
〇 『 エモい 』
最近、歌番組などで自分の好きな曲の理由を「『エモい』から」と表現する若い人が少なからずいます。
『エモい』って何? 物の本によると「なんとも言い表せない素敵な気持ちになったときに使う、主に
若者の間で浸透している俗語(スラング)」なんだとか。なんかこの解説をした人自体が若者ではなさそう。
由来は「emotional」だというけれど、英語が弱い富太郎は辞書で「感情的な」「感激しやすい」だと引い
てみても、今一つぴんとこず。 日本語の「えもいわれぬ」を短縮したといわれた方が、まだ解るような。
「超エモい」は「いとあわれ」だと思えばいいのかな? しかも最近は『エモい』を『ヤバい』の代わりに
使う若者も増えてきているらしいです。充電旅で出川が「エモいよ、エモいよ!」という日が来るのかも。
〇 『 ヤバい 』
「不都合なこと」「けしからぬこと」を意味する『やば』という言葉を形容動詞化させた言葉で、
『ヤバい』は、盗人や香具師が隠語としてすでに江戸時代から使っていたらしいです(若者言葉ではない)。
若者言葉としては「格好悪い」から、その後「凄い」「最高」とかの意味でも使われているようですが。
その昔、今の天皇陛下が中学生?の頃、ご学友と後楽園に野球観戦に行かれて、巨人がピンチになった
時に『ヤバい!』と思わずおっしゃられたのを、野球解説の佐々木信也さんがびっくりして「ふだんから、
そのようなお言葉を使われるのですか?」と(聞き流せばいいのに)質問したら、『場合によっては・・・』
的な回答をされたという記憶があります。 帰ってから教育係の侍従さんから怒られなかったでしょうか。
〇 『 ナウい 』
毎年この時期になると、その年の「現代用語の基礎知識」が発売されたと、新聞広告が出ます。
この、今では「中年以上が使う古臭い言葉」と若者から死語扱いの『ナウい』が現代用語の基礎知識に
初めて掲載されたのが1980年版というから、1979年の暮れあたりでしょうか。英語の「NOW」を形容詞化
したものですが、それまでは外来語に対して「NOWな〇〇」のように『 な形容詞 』が一般的だったのが、
1970年代後半頃から若者の言葉遊びとして「NOWい〇〇」のような『 い形容詞 』も出始めたそうです。
ちなみに岩波書店の「広辞苑」に『ナウい』が初めて収録されたのは『旧の流行語として認識されている』
との注釈付きで、2008年の第6版なのだとか。 『ナウい』、なんか可哀そう・・・。
〇 『 ダサい 』
使われ始めて50年くらい経つのに、いっこうに良い意味に転換してこない『ダサい』。 「恰好悪い」
「垢ぬけない」「洗練されていない」「野暮ったい」・・・。富太郎は失礼ながら「だって埼玉・・・」が
語源だと思っていたら、これはタモリが「ダサい+埼玉」の略として使ったために広まった誤った説で、
由来は、「田舎」を『ダシャ』と読み、形容詞化した「だしゃい」が転じて、『ダサい』となったよう(諸説
あり)。現代用語の基礎知識には1978年に初登場。そう言えば、県知事さんが「悪名は無名に勝る」と公認
した?『翔んで埼玉』の続編が、GACKTの復帰で制作再開されたようです。 埼玉はヤボじゃぁなかった!
「長さん」「熱男」の加入が決まって、坂本に
もう一度若さを取り戻してほしい 富太郎
いい加減 出でよ 若手っ!!
フォト/我が家の『広辞苑』
後輩で、本屋の息子のタチバナ君が、街の教会で
結婚式を挙げたときの引き出物として頂いたもの。
(昭和58年12月6日第3版第1刷発行)
当然ながら『エモい』は載っていませんが、
『ダサい』も載っておらず、『ヤバい』は
「やば」の隠語の用例として載っています。
『キモい』はないものの、「肝煎る」という言葉が
「気をいらいらさせる」という意味として載って
いました。表現は違うけど、意味は一緒のような・・・。