富太郎の日常83 『最近買った文庫3冊』
ある日、大学通りを歩いているときに、縁石が歪んで見えてビックリ。人間ドックでも『眼底に異常が
あるので、精密検査を。』と指摘されていたので、眼科へ。 検査の結果は「加齢によるもので薬では治り
ません。手術するしかないですが、治るとは限りません。 手術するなら、紹介状を書きますが・・・。」
『するなら』を妙に強調され、目薬すら処方されず。 何か悔しくて、間をおいて別の眼科に行ってみた
ものの、結果は変わらず。 自主的に経過観察中です。
そんなわけで、目の調子はずっと悪いのですが、買い物に出ると、つい本屋さんに寄ってしまい、
本屋さんに行くと、買わないと損みたいな気になって、何かしらの本を買ってしまいます。
まさに『パブロフの犬』状態。読んでない本が山積みになっているのに・・・。勉強のテキストも・・・。
ほぼ年金生活者なので、買っても文庫本なのですが、活字の細かい本は目が耐えられずに長時間読めず。
そこで一番最近買ったのが、以下の3冊です。 (すべて、活字大きめ。)
〇 『黄色いマンション 黒い猫』 小泉今日子 著 (エッセイ) 新潮文庫 読了
先月、NHK MUSIC SPECIAL で「小泉今日子」特集をやっていました。
1982年3月がデビューで、40周年だそうです。サブタイトルが『キョンキョン40年の軌跡』。
彼女がデビューした年は、『花の82年組』と言われ、中森明菜、松本伊代、早見優等々そうそうたる
顔ぶれです。伊代ちゃんなどは♪「伊代はまだ16だから・・・」と歌っていたので、年齢バレバレ。
最近「半分青い」や「あなたの番です」で再ブレイクしている原田知世さんも、この年のデビューです。
この本を買ったのはたまたまですが、読売新聞の読書委員をしていた頃から、キョンキョンの選ぶ本は、
他の学者先生が選ぶ、バカ高い専門書とは違い、庶民的で身近な本。かつその説明もとても分かりやすく、
読書家としての彼女に一目置いていました。 そしてこの本が(単行本として)出版されたときには、
『講談社エッセイ賞』を受賞したのだとか。 読んでみて「上手だなぁ」と言うのが正直な感想。
中身はと言うと、アイドルになる前の彼女は、学校をさぼり、不良と「タイマン」を張る、世間でいう
いわゆる『悪い子』。アイドルになってからも常にボーイフレンドがいて、一部のお父さま方からは、
『オレの青春を返せ!」と叫ばれそうな生活だったようですが、それも彼女の魅力の一部ということで。
また、彼女は80年代後半には、本のタイトルになっている原宿の黄色いマンションに住んでいて、
休みの日には、その界隈に出没していたよう。富太郎は、渋谷支店当時神宮前を担当していて、竹下通りを
毎日のように(背広姿で)歩いていたのが90年代前半なので、ちょっとズレたか・・・。残念!
でも、あの頃の原宿界隈の空気感は、懐かしく思い出されます。
チビチビと勉強の間の「お楽しみ」で読み進めましたが、あっという間に読了しました。
本の一番最後『あとがきのようなもの』は、「『黄色いマンション 黒い猫』に書いた文章はもしかしたら
懺悔だったのかもしれない。そうなると、読んでくださった方は神か仏か。ああ、どうか、こんな私を
お許しください。」と締められています。富太郎は、神でも仏でも、縁もゆかりもないけれど、『許す!』
〇 『たそがれビール』 小川糸 著 (日記エッセイ) 幻冬舎文庫 読書中
キョンキョンの出演作で一番好きなのが、柄本明等と共演した『センセイの鞄』。富太郎と同世代の
川上弘美さんの原作。主人公と柄本明演じる先生とは、30くらい歳の差があるのですが、いつの間にか
富太郎がこの先生とほぼ同年代になっているのが、ちょっとショック。何故かはわからないけれど・・・。
この川上弘美さんのエッセイは『東京日記』等、何作か読んだことはあったのですが、小川糸さんに
関しては『かたつむり食堂』等、本の題名は目にしており、テレビドラマ化も承知はしていたのですが、
恥ずかしながら、これまで内容にふれたことはありませんでした。1973年生まれで、世代もちょっと違う。
『たそがれビール』という題名にひかれて購入。非常に読みやすい文章。旦那さんを「ペンギン」と
称していて、どうも30くらい年上の音楽プロデューサーらしいです。 いずれ小説も・・・。
この本は、2012年の1月から12月までの日記風の内容で、1日分3ページで、不定期に83日分。
内容はとり止めのない日常を綴ったものですが、ベルリンでレディー・ガガのコンサートに来ていた、
無理やりタイトスカートをはいてかつらをかぶり、化粧をした恰幅のいいおじさんを『オヤジガガ』と表現
したり、11月3日を『いい、おっさんの日』という小川さんにとって一番年下の小学生の女の子の友達が
いたり(「ペンギン」は、つれなくされているらしい。)。 ちょっと、ハマりそうな予感。
富太郎は、中学生くらいまでは、全く本を読まない子でしたが、高校生になり電車通学になってから、
読み始めたのがエッセイ。北杜夫(どくとるマンボウシリーズ)、遠藤周作(狐狸庵先生シリーズ)、
山口瞳(男性諸君シリーズ)、椎名誠(怪しい探検隊シリーズ)、和田誠(お楽しみはこれからだ)、
浅田次郎(勇気凛凛ルリの色)等々。これらの作家先生の小説を読んでこなかったわけではありません。、
『泣かせの(浅田)次郎』の、『鉄道員(ぽっぽや)』も、『椿山課長の七日間』も、『日輪の遺産』も
読みました。そして、泣かされました。 でも、ラスベガスへ行って馬鹿をやっている浅田次郎さんの
七転八倒を読んで、「むふふふふ」と心を無にできる時間のほうが、富太郎的には好きなのです。
今でも付き合いのある、高校時代からの友人わかむら君の富太郎の最初の印象は『教室に早くから来て、
黙々と本を読みながら、時々にやけている、変な奴。』だったそうです。 誤解だよぅ~。
〇 『ビブリア古書堂の事件手帖Ⅲ ~扉子と虚ろな夢~』 三上延 著 (ライトノベルズ)読み始め
♪「・・・源氏山から 北鎌倉へ あの日と同じ道をたどって たどり着いたのは 縁切寺・・・」
さだまさし『縁切寺』で歌われているわけではないのですが、この本の舞台は横須賀線北鎌倉駅近くの
築60年以上の古本屋さん。 このシリーズが始まって11年になるそうで、第1巻で、25歳だった
主人公の栞子さんと、23歳だった大輔さんも、月日と冊数を重ね(この本が10冊目)、今では結婚して
高校生のお嬢さん扉子さん(前作あたりから、話の中心になりつつある。)がいます。
今回は久しぶりに目次の前に『登場人物』の説明が載っていました(字が大きくてありがたい。)。昔の
洋物の推理小説でよく見たパターン。カタカナの名前が覚えられず、一覧表を見い見い、苦労しながら
読んだことが思い出されます(最近は読まないけど)。外国のミステリーでは、ビル・プロンジーニの
『名無しのオプ(探偵)』シリーズが、富太郎は特に面白かったです。
さて作者の三上延さん(71年生まれ、藤沢育ち、古本屋さんで勤務経験あり)は、いつもあとがきで、
『前日譚、栞子さんの過去の話もやるつもりです。』と書いておきながら、今作はまだ読み始めですが
どうも、またまた、そちらの方向には行かないような・・・。 また、1年後かい。
今回も、出だしから興味を惹かれる入りなのは、さすがです。 読み進めるのが、楽しみ。
それにしても、学生時代から、試験が近づくと妙に本が読みたくなるのは、何故なのでしょうか。
一種の現実逃避? 1時間10分勉強したら、ご褒美に15分本を読む日々。 試験まであと79日。
人間ドックまで1か月を切り、
ウォーキンングを増やしたら
日焼けが始まった 富太郎
でも体重は減らず・・・。悲しいですぅ!
フォト/ビブリアの文庫、著者のサイン。
ちゃんとサインペンでサインしてあって、
色移りしないように、紙が2枚挟んであり
ビックリ!
このサイン文庫本が、メルカリで3,333円
で売りに出されていて、2度ビックリ!!
(定価税込み、737円)