富太郎の日常56 『ノーベル文学賞』

 今年のノーベル賞各賞が発表され、真鍋淑郎さんが見事に「物理学賞」を受賞されました。

真鍋さんは富太郎の老親とほぼ同じ年齢の90歳でありながら、かくしゃくとした会見をされ二度ビックリ。
誠に、おめでとうございます。

 一方、毎年「文学賞」候補にあがる”村上春樹”さんは、残念ながら今年も選ばれませんでした。

村上作品は、「ノルウェーの森」をはじめ、エッセイも含めてわりと読んでいるので、吉報を待っていた

のですが。(ただ、作品の内容に富太郎が馴染めているかというと、・・・ではあります。)

そんなわけで、今回は村上春樹さん他、ノーベル文学賞候補の作家さんについて、書かせていただきます。

当然、文学論ではありませんので、悪しからず。

 〇 村上春樹

 富太郎が一番最近読んだ村上本は、「騎士団長殺し」。内容を「わかったか?」と聞かれれば、やっぱり

『よく、わからない。』というのが正直なところなのですが、主な舞台が「小田原」というところで、

昔、小田原の支店にいて、山裾の社宅に住んでいた富太郎には、風景が目に浮かぶような心持ちにも。

その社宅では、手の大きさ位の蜘蛛がいたり(朝、浴槽に浮かんでいたことあり)、社宅のベランダで

栽培していたプチトマトを「野生のサルが食べていた」との噂を聞いたり。まさにこの本の主人公の住む

山荘も「さもありなん」という感じで、空気感は共有できました。

また、村上春樹さんの住む『大磯』は、小田原の支店の管内で(箱根駅伝の中継では、毎年必ず国道1号線

の杉並木が映される)、当時よく聞いたのは「大磯町長の最大の功績は、村上春樹を町民に迎き入れた

ことだ。」とのまことしやかな巷の噂でした。何でも町の税収のかなりの割合を村上氏が納めているとか。

あくまでも当時聞いた噂で、真偽のほどは、当然定かではありません。でも、ありそう。

 そう言えば、村上春樹さんが、作家デビュー前に「ジャズ・バー」を最初に開店した『国分寺』は、

富太郎の住む『国立』の隣町です。

そんな、こんなで、村上春樹さんに、富太郎は何となく親近感があるのです。いつか是非、村上春樹さんに

ノーベル文学賞を取っていただきたいものです。

 〇 三島由紀夫

 超有名作家で、当時ノーベル文学賞の候補だったようですが、富太郎的には「金閣寺」を読んだことが

有るような無いような・・・という程度にしか作品には、ほとんどなじみの薄い方です。

どちらかというと、資格試験の勉強で『憲法』に出てくる「宴のあと事件」の被告(作者)。この事件は、

三島が「高級料亭の女将と、元外務大臣で東京都知事候補」をモデルに書いた本に関し「プライバシー」と

「表現の自由」の問題が日本で初めて法廷で争われ、被告(三島と新潮社)が敗訴した、プライバシー権の

先駆的な判決なんだそうです。憲法何条?  確か「金閣寺」にも、モデルになった事件があったはず。

三島は、自衛隊の駐屯地で軍服のような格好でバルコニーでの演説後に自決するのですが、その背景には、

自分がノーベル賞を取れると思っていたところ、親戚付き合いをしていた川端康成が受賞してしまったこと

が、有るとか、無いとか。川端の受賞直後のインタビューでも、「(受賞理由の)一つは日本文学の

伝統でしょうね。その他には、さっき三島君に電話したら『そうじゃない』って言うんだけれども、第二は

翻訳者。・・・・運が良かったんでしょうね。三島君は年が若くて、まだ早いとかね。なんか僕は運がいい

ところがあるんでしょう。・・・」と、三島の名前が盛んに出ていたようです。

 三島が自決した年の夏休みに、富太郎は親友の かおる君 達と菅平の「カーボーイスクール」という行事

に参加しました。その初日の夜のミーティングでスタッフが一人の女の子を「三島由紀夫さんのお嬢さん」

と紹介しました。その女の子は、特に目立つような振る舞いをしたわけではなかったのですが、

銀のブリッジの歯科矯正をしていたことだけが、50年以上たった今でも印象に残っています。

 〇 多和田葉子

 村上春樹さんと共に、現在ノーベル文学賞候補と言われている作家さん。今はドイツ在住だそうですが、

富太郎の住む国立市の小学校・中学校を卒業され、都立立川高校(通称:立高)から早稲田大学文学部へ。

大学で同じゼミのナカオ君や、最初に同じ支店になった同期のチバちゃんが立高OBで、年齢的にも同じ

時期に立高で学んでいたと思われます。立高は、当時このあたり多摩地区ではトップの都立高校でした。

 そんな多田さんは、「犬婿入り」という作品で第108回芥川賞を受賞されていますが、この作品の舞台と

なっているのが国立市だと言われています。登場する団地は「富士見台団地」。北区は「国立駅方面」で、

南区は、甲州街道の南側、谷保天満宮とかがある「谷保村」と言われていた地区と思われます。

 富太郎も「犬婿入り」は読んだのですが、村上春樹作品に童話的なテイストが加味されているような。

う~ん、馴染めませんでした。現実と非現実が併存していて・・・。深い(のかなぁ)!?

ノーベル文学賞を取るような作品を読みこなせるだけの読解力には、到底程遠い富太郎ですが、

地元出身の作家さんということで、多和田さんにも、是非ノーベル賞を受賞していただきたいものです。


 川端康成作品と言えば、山口百恵の「伊豆の踊子」

を思い出してしまう、非文学的な   富太郎


 フォト/多和田葉子「犬婿入り」 講談社文庫

     背景は、富太郎御用達「オリオン書房」

     の布製エコバック



● 令和3年度司法書士試験筆記試験の(個人的)結果

 ○ 多肢択一式   

  ・午前の部基準点81点 (富太郎87点)

  ・午後の部基準点66点 (富太郎72点)

 ○ 記述式

  ・基準点34.0点 (富太郎45.5点)

 ★ 筆記試験合格点 208.5点以上

   富太郎 204.5点

   4点足らず、今年も不合格でした。 残念!!


 「任意引退か?」「現役続行か?」

 ベテラン選手同様、身の振り方を思案中です。



2021年10月15日