富太郎の日常 254 『 徹子さんが足りない? 』

 24時間テレビが終わると、「あぁ、夏も終わりだなぁ。」と思っていたのも、今や昔。 9月に入って

も、連日35度というのは、如何なものか? という不満の持って行きどころのない今日この頃。

 そんな暑い中、105km完走した横山君、翌日の早朝番組の司会もちゃんと務めた、羽鳥アナ、水卜ア

ナ、本当に頭が下がります。 芦田愛菜さん主演の『トットの欠落青春期』、楽しく拝見しました。

 「窓際のトットちゃん」を読んだのは、もう何年前になるのでしょうか。 電車通学の駅にあったキャラ

メルの自販機で、(戦時中の物資不足で)お金を入れてもキャラメルは出てこないのに、1個くらい引っか

かって残っているのではないかと、毎日お金を入れてみていた。というくだりが、印象に残っています。 

 時節柄、使わない金属がそのまま放置されていたという違和感はあったのですが・・・。

 ◯ トットてれび

 黒柳さんの自伝エッセイをもとに制作された、2016年のNHK土曜ドラマ。 脚本は『あんぱん』も

手がけている 中園ミホさん 。中園さんは筋金入りの徹子ファンだそうで、この作品のキャッチコピーが、

『世の中なんだか、徹子さんが足りない。』 「テレビ誕生から60年あまりの間に幾多の前例や決まり事

に縛られてしまって、テレビの世界にあって、何事にも縛られず自由であり続けた黒柳さんのごとく、かつ

てテレビが創造性に溢れ自由だった時代の物語を、自由かつ大胆に様々な挑戦に意欲的に取り組みつつドラ

マ化する」というコンセプトで制作され、黒柳さん役の 満島ひかり さんは、数々の賞を受賞されました。

 満島さんで印象に残っているのは(話しはそれますが)2014年の宮藤官九郎作品「ごめんね青春!」

静岡県三島にある、仏教系の男子校と、ミッション系の女子高が統合されるというシチュエーションで、

男子校側の主人公の教師が 錦戸亮 君。 女子高側の主人公教師(シスター)が 満島さん 。 生徒役には

その後NHK朝ドラのヒロインになる、波留さん、黒島結菜さん、川栄李奈さん等々。 男子生徒役にも、

(ジャニーズ)ウエストの重岡君や、『べらぼう』の佐野大明神、矢本悠馬君 等々、「今を時めく」面々。

 そして、女子高の校長先生が 斉藤由貴さん 。 斉藤さんは、1987年の映画「トットチャンネル」で

主人公の黒柳さん役を務め『日本アカデミー賞主演女優賞』を受賞されています。 話が戻ってよかった。

 ◯ 香蘭女学校

 黒柳さんが「トモエ学園」の生徒だというのは知っていましたが、女学校は「香蘭」でしたか。 実は、

同じ東京の高校ながら、大学に入るまで、その校名は知りませんでした(スポーツの強豪校は、女子高も

含めて全国的にかなり把握をしていたのですが)。 知ったきっかけは、大学の同じ教養ゼミに、OGのH

さんがいたからです。 Hさんは気さくな学生さんでしたが、お嬢様学校の卒業だとは聞いていました。

 その年のゼミのクリスマス会をHさんのご自宅を使わせていただくことになり、みんなでお邪魔したら、

世田谷の等々力渓谷近くの高級住宅街。なんでも、お隣は大河にも(後に)出演した大物俳優さんのお宅

なのだとか。 とはいえ、お母さまも気さくな方でした。 この日、富太郎は人生で初めて食べたものが

ふたつ。 ひとつは、お持たせで 苺 を持って行こうと商店街の果物屋さんに入ったら、ゼミ長(通称:マス

ター)が突然『このキウイというのを食べてみたい。』と言い出し方針変更。当時1個100円。 半分に

切ったものをスプーンでしゃくって初めて食べたのですが「苺のほうがおいしい。」 言わなかったけど。

 もう一つが、Hさんちで出してくれたおでんに入っていたウインナー。 おでんも、ウインナーも、もち

ろん食べたことはありましたが、おでんにウインナー? 以降、実家のおでんにもウインナーが定番になり

ました。 特にアルバム等を見せてもらう事もなく、それ以降も「香蘭」情報の入手は今日まで皆無です。

 ◯ 神さまは

 どんな人間にも、必ず跳び飛び抜けた才能をひとつ与えてくださっている。 でも、たいがいの場合、

人はそれに気づかない。 違った職業を選んで一生を終えている。

 これは、黒柳さんが女学校卒業後の進路について「音楽学校に進みたい。」となかなか言い出せないでい

たときに、お父さまがかけた言葉です。 確かになぁ、と思いつつ「黒柳家はお金持ちだったからというの

もあるよなぁ。」とも。 お金の面だけではなく、性格、性別、精神的や身体的ハンデ、時代の同調圧力も

ありそうです。 ACジャパンの『スタートラインは みんな同じだと思っていた。』というCMを改めて

深いと感じました。 そういう意味でも去年の やす子 さん、今年、横山君 が走った意味合いはとても大き

いと思います(少し周りのはしゃぎすぎ感は否めないけれど)。 新聞の人生相談の回答に「生産性至上主

義に陥っている社会を批判し『正義の概念を転換すべき』である。」と訴えるアメリカの政治哲学者マイケ

ル・サンデルさんのことが書かれていました。 『たくさん利益を生み出すのが正しいのではなく、たとえ

どんな形であっても、世の中に貢献することを正当に評価すべきだ。』 『貢献的正義』という新しい概念

だそうです。 まさに走る横山君は「正義のヒーロー」に見えました。 人生相談の回答は、終わりにこう

綴られていました。『おかしいと思うことに対して 何も言わない事の方が よほどおかしいです。』

 どこかの、あるいはかつてのこの国のように『なにも言えない社会』は、もっとおかしいと思います。

と、言える幸せに感謝しなければいけませんね。


  激闘を制し15年ぶりに準決勝進出を果たした 

 バレーボール女子世界選手権の準々決勝の試合に

 感動して涙をこぼし、翌朝の情報番組のスポーツの

 コーナーをはしごした     富太郎

(夏の甲子園の、県立岐阜商の延長逆転サヨナラ

 勝ちの時もジーンときたけれど、思えば、

 甲子園でも、インターハイでも、オリンピック

 でも、勝者がいれば、敗者もいるわけで・・・。

 だから余計に、グッ とくるのかもしれません。)


 フォト/今年の「国高祭」の入場ゲート。

     昭和レトロ風?

 たぶん去年まではなかったと思うのですが、

 『本校関係者、事前予約者以外は、入場

 いただけません。』の張り紙。

 去年何かあった? それともご時世?

  (明らかに本校関係者以外の)お兄さん、

 お姉さん方がニッコニッコしながら大学通りを

 ゲート目指して続々と歩いていましたが、

 無事に入れたのでしょうか?




2025年09月05日