富太郎の日常216 『 読書の秋、深し 』
奥に、原田ひ香さんの『ランチ酒』を読んだよ、と言ったら、『三千円の使い方』持ってるよと返された
ので、さっそく借りて読みました。 『人は三千円の使い方で人生が決まるのよ』と言ったのは、祖母の
琴子さん73歳。 お母さんが55歳で、物語の中心人物である姉妹が23歳と29歳。 四人プラス周り
の人の、お金あるいは人生の価値観の違いを日常の出来事に落とし込んだお話。 世代的には、琴子さんに
近いけれど、「感じ方考え方は、ひとそれぞれだよなぁ。」と思った次第です。 三千円は、「プチ贅沢」
にもなるし、「安物買いの・・・」にもなるし。 まあ、我が家では「◯千円あったら、凄いお寿司が食べ
られるねぇ。」というのを、ひとつの基準として、だいたいはスルーですが。 急に寒くなってきたので、
「読書の秋」も、ラストスパート。 例によって、ネタバレがあったら、ごめんなさい。
◯ 『団地のふたり』 著者:藤野千夜 双葉文庫 693円(税込)
NHKBSのプレミアムドラマが終わったので、文庫を買っておさらい。 小さい頃からテレビっ子だった
ので、登場人物は映像を見て、そのまま当てはめ。 小泉今日子さんと小林聡美さんが本の中にも。逆に、
本のイメージをそのままドラマにできていて、流石だと思いました。 富太郎が子供の時には、あちこちに
大型の団地が出来て、小学生が急に増えて、教室が足らずに「プレハブ校舎」なんてものが、校庭に出現。
市内に新しい小学校が、2年に1校くらいのペースで増えていました。 人は歳を取り、建物の築年数は
増え、子供は減り・・・。 お二人が、小学校の時の性格・関係性そのままに五十路の生活をしているのを
見て、自分の日常に重ねて見たりして。 ドラマの最後、大みそかの夜の場面で、本とはちょっと変えてあ
ったのが、紅白を見ようとしたらテレビが壊れて、おもちゃのマイクで「二人紅白」で歌い合うシーン。
大体が80年代の歌でしたが、その中の一曲が『ウエディング・ベル』。 小林さんが、しっかりと
『くたばっちまえ アーメン』とシャウトしていました。 やっぱり、放送していいんだ。
ちなみに、巻末の解説は 原田ひ香 さん。 『団地のふたり』愛を熱く語っていました。
◯ 『掟上今日子の旅行記』 著者:西尾維新 講談社文庫 693円(税込)
久しぶりの「忘却探偵シリーズ」です。白髪、眼鏡の若い女性探偵。 眠ると記憶がすべてリセットされ
るので、ほぼ1日で事件を解決。 今回は、パリに海外出張。エッフェル塔が舞台に。 パリ五輪もすでに
はるか昔感。 で、こちらもテレビドラマで言うと、主人公の今日子さんがガッキー(新垣結衣)で、相棒
(?)の 隠館厄介(かくしだて やくすけ)君が、岡田将生。 岡田さんは、「虎に翼」で主人公の二人目の
夫役をやったと思ったら、つい先日、結婚のニュースが。お相手は「元気を出して」のМVのあの女の子だ
とは。とにかく、おめでとうございます。 話を戻すと、巻が進むにつれ、今日子さんのイメージが、なか
なか『なまぐさ』『ケチ』『ちょっと(相当)意地悪』で、人間臭さ増し増し。少し、ガッキーのイメージ
から離れちゃったかな(あくまでも、個人的な感想です)。 今回の犯人の「怪盗淑女」っていうのは、
結局・・・。
◯ 『逆ソクラテス』 著者:伊坂幸太郎 集英社文庫 792円(税込)
国本梨沙さん(21歳)というタレントさんが、日テレでMCのひとりをやっている「ズムサタ」の中で
激推ししていたので、読んでみました。 久しぶりの、伊坂作品。 短編集ですが、それぞれの作品が、
繋がっているような、いないような。 でも、どれも読み終わると、やっぱりほっこり。 さすがです。
ある作品の中で、登場人物の発言という形で、伊坂さんの言いたいと思われることが語られています。
『地味でもいいじゃないの。やっぱり最終的には、真面目で約束を守る人間が勝つんだよ。 でも損する
ことも多いかぁ。 だけど幸せにはなれるからね。』 『だって 漫画とかドラマとかでも 結局 この人
は実は運動ができました! とか、親が有名人でした とか、楽器が上手いとか、何か特別なことがあって
逆転できるパターンが多いでしょ。普通の人の多くはさ、そんなの持ってないんだから。』 自己作品への
自虐にも思えますが・・・。 本人(インタビューで)曰く『すこしずらしたくなっちゃう。』のだとか。
ちなみに、この作品には、政府の秘密機関とか、喋る車とか、宇宙人とかは登場しません。
◯ 『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』 編:福井県立図書館 講談社文庫 825円(税込)
新聞に紹介記事が出て、即購入しました。 内容をたくさん紹介したいのですが、ほんの一部だけ。
・ 伊坂幸太郎の『あと全部ホリデー』はどこにありますか?
→『残り全部バケーション』ならこちらです。なぜでしょう、頭の中で松浦亜弥が歌って踊ってます・・
・ 『これこれちこうよれ』ありますか?
→『日日是好日』でよろしいでしょうか。お殿様がお呼びです。・・黒木華主演で映画化もされました。
ああ、もっと書きたい。 『なんかが強く吹きすぎてる本』なんだけど。 風です。 富太郎、悶絶!!
と、ここまでの4冊で、税込3,003円 惜しい! でも、ルミネ10%オフなら大丈夫ぃ(^^)v
さて、 秋深し 隣は何を読む人ぞ
ルミネ10%オフの日の本屋さんで、マンガの
単行本を15冊くらい抱えて、レジに向かう女性を、
つい二度見してしまった 富太郎
(なんと羨ましい 大人買い。 一番上のマンガは、
『ハイキュー!!』でした。 3,000円では
収まらないけれど、ゴルフに1回行くよりは安いかも。
何回でも、読めるしなぁ。 「1万円をどう使うか」
も、人生にとって大切だよなぁ。)
フォト/『100万回死んだねこ』に挟まっていた
栞(?) 個人情報云々がうるさいから、図書館じゃ
もう使っていないのだろうけれど、学校の図書室では
健在なのでしょうか。 富太郎が小学校の時、初めて
図書室で借りた本が『銀色ラッコのなみだ』。内容は
まったく覚えていませんが、この本もラジオの朗読
番組を聴いて、読みたくなった記憶があります。
相撲解説の 北の富士さん がお亡くなりになりました。
同時に横綱に昇進した 玉乃島さん とともに、
『北玉時代』と、ひと時代を築かれました。
子供の頃、縁日で買った「相撲のおもちゃ(小さな
ゴムの球を握って、空気を送って土俵を揺らし、
お相撲さんの人形を戦わせる)」で、ピンクががった
色のお相撲さんを 北の富士 、白い色のお相撲さんを
玉乃島 という四股名にして遊んだのを思い出しました。
ご冥福をお祈りします。