富太郎の日常208 『 読書日記(風) 』

 「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、秋分の日を境に少し過ごしやすくなりました。 ゴルフ

練習場に短パンで行ったら、短パンは富太郎ひとり。 「若ぶってんじゃねぇよ!」と思われてんじゃない

かと気にしても、誰も見ていないというのが現実でしょう。 さて、いよいよ秋のよう。 「成瀬は」以来

何年かぶりに「毎日(少しずつですが)本を読む」日々。 最近読んだ本のご紹介を。 ネタばれには注意

しますが、バレちゃったら御免なさい。

 ◯ 『八月の御所グラウンド』 作者:万城目 学   文藝春秋 刊

 主人公以外で、重要な登場人物である、中国人女性留学生(大学院)である『シャオ』さん。 好きな

言葉は「毒は溜めると体に悪い」で、主人公が内緒で付けたあだ名は「烈女」。 攻撃的なもの言いながら

口癖の「アイヤー」が愛嬌があって、少し救われているよう。 彼女は「日本のプロスポーツの研究」を

していて、そのきっかけになったのが、12歳の時に学校単位で見学に行った北京五輪の野球競技。 引率

の教師をはじめ、誰ひとり野球を知らないなか、その試合は「日本対オランダ」戦で、日本人のおじさんが

ひとり『オリコンダレェ!』と立ち上がって絶唱していた。 それが初めて覚えた「日本語」で、初めての

「異文化体験」だったとのこと。  北京五輪の野球と言えば、GG佐藤(登録名)が、準決勝と3位決定

戦で立て続けにエラーをして、『メダルを逃した「戦犯」として、その後長年苦しんだ』という記事を最近

読んだ気がするぞ。 中国人留学生だから北京五輪なのか?、北京五輪を出すための中国人留学生なのか?

なぜ「日本対オランダ」戦なのか? この試合を調べた富太郎。 この試合は、2008年8月15日、金曜日

19:00試合開始で、日本が6対0で勝利。『放り込んだれ!』の声援に応え、GG佐藤選手がホームランを

打っています(エラーだけして、帰ってきたわけではない。)。 先発バッテリーは、杉内-阿部。なんと

いう事、今年の巨人の監督とピッチングコーチじゃないですか。 ちなみに監督は、闘将 星野仙一さん。

 作者の 万城目さん が、なぜこの日のこの試合にしたのかは、正直判らないけれど(「終戦記念日説」・

「頑張れGG佐藤説」等)、書きたかったのは『みんな、野球がやりたかったんだ(P185)』ではないか

と思うのであります。  近ごろ、「やきゅハラ」なんて言葉も出てきているみたいだけれど・・・。 

 ○ 『新 謎解きはディナーのあとで』 作者:東川篤哉  小学館文庫

 国立が舞台のこのシリーズ。 『2』の単行本の発売に合わせて、『1』の文庫が出たので早速購入。

第1話から「国立が誇るパワースポット『谷保天満宮』」「谷保駅近くの踏切(あそこだ!)」「(止まる

とほとんどの駅は陸の孤島となる)南武線」「(国立駅南口の)ブランコ通り」と聖地巡礼状態。 また、

第1話の現場「国立市富士見台」には国立市役所が、第2話の現場「国分寺市戸倉」には国分寺市役所が、

第3話の現場「立川市錦町」には、立川市役所(移転前)があるのです。 そして架空のアイドルグループ

「多摩欄坂48(多摩欄坂は、忌野清志郎ファンの聖地)」が、立川ピットというライブハウスでコンサー

トという場面が出てくるのだけれど、2か月くらい前の『アド街「立川」』に ももクロの 高城れにさん が

出ていて、立川の商業施設「フロム中武(昔は中武デパートと言った)」の屋上で、国立競技場のライブを

目指して、『国立川[コクリツガワ](「国立」と「立川」を合体)ライブ』をやっていたと紹介。 あの中武

デパートが、ももクロ の聖地だったとは・・・。 知らなかったぁ。

 『ム、ム!』 いつもながらの毒舌執事 影山 の推理に感心しながらも、既視感が。 『えっ!』

もしかして、前に読んでる? 今回の本が単行本で出たのが、2021年の3月で3年前。 買った記憶は

まったくないけど、間違いなく読んでる・・・。 加齢の弊害は、ここまで来たか? と、言いたいところ

ですが、実は若いころから何回か経験していることで、山際淳司さんの『スローカーブをもう一球(角川

文庫)』にいたっては、本屋で手に取って3回買った経験ありです。 その中の一篇が有名な『江夏の21

球』。 江夏さんには申し訳ないけれど、近鉄に優勝させてあげたかったなぁ。 今更ですが。

 ○ 『ランチ酒』  作者:原田 ひ香   祥伝社文庫

 原田さんのお名前は、『三千円の使い方』という本が盛んに宣伝されていたので知っていたのですが、

「節約のノウハウもの」?的な思い込みで、触手がまったく動かなかったところに、帯の『うまい! 泣け

る! 5つ星小説 』のキャッチコピーに負けて購入。 富太郎の受け止めでは、「孤独のグルメの井之頭

五郎」さんと、「ワカコ酒の村崎ワカコ」さんの、飲み食いへの探求心と、先日終了したテレビドラマ

「ギークス~警察署の変人たち~」に出てきていた、主人公の同僚「吉良ます美(田中みな実)」さんの

境遇が主人公とちょっと重なます。さらに主人公のお仕事『夜間の見守り屋』のお客さんや、見守られる

人達に垣間見える人生模様も、ちょっと『重い』かなぁ。 唯一の贅沢が、夜勤明けの(晩酌ならぬ)「ラ

ンチ酒」、が出来るだけ、まだ救われているかな。 吉良さん共々、同級生・同僚に恵まれてて良かった。

『ランチ酒 おかわり日和』『ランチ酒 今日もまんぷく』とお話は続いていくよう。 いつか読もう。

 井之頭五郎さんが、月見バーガーのCMで「かぐや姫のおとうちゃん」役なのは、 さもありなん ですが、

村崎ワカコさんが、「虎に翼」で寅子さんの同級生、梅子さんのご主人の浮気相手で、ご主人亡き後には、

息子さんをたぶらかして、結婚(?)する役を演じたのには、ビックリ! 永遠の26歳ではないんだぁ。

 「虎に翼」も、いよいよ終わりかぁ。


 で、今は 小林聡美さん の『わたしの、本のある

 日々(毎日文庫)』を読んでいる   富太郎

 (『団地のふたり』を読みたいところですが、

 ドラマを新鮮な気持ちで観るために、まずは、

 小林さんの本から手に取りました。 小林さんを

 初めて観たのは、映画『転校生』(大林宣彦監督

 「尾道三部作」)。 臨海学校のシーンに衝撃。

 担任の先生は、志穂美悦子さんでした。)


 フォト/愛用のノート・パソコンと本屋さんで

 だいぶん前に貰った、文庫用栞(お気に入り)。

 文庫は『想像力と数百円』の世界だったけど、

 最近は千円超えも目につくように。 それでも、

 単行本の値段の半分くらい、何年か待てれば・・。

『読まずに死ねるか』(内藤珍 1985年 集英社文庫)

 の域に片足突っ込んだ年齢になってきているのも

 紛れもない事実なので、本屋さんで暫し熟考。



  蛇 足

 先日NHKBS「COVER'S」で、知らない歌手が

 RCサクセションの『甲州街道はもう秋なのさ』

 (作詞・作曲 忌野清志郎)を歌っていました。

 ♪「 甲州街道は もう秋なのさ ・・・  」 

 って、そこだけ歌う?




2024年09月27日