富太朗の日常193 『 えんぴつ 』

 司法書士試験まで、1か月となりました。 昨年までと変わったのは、「記述式」が70点から140点

に倍増したのもさることながら、『筆記試験当日の注意事項』に(5)多肢択一用解答用紙への記載は、鉛筆

(B又はHB)に限ります。 それ以外の筆記具を使用した場合又は解答の記載に不備があった場合は、

採点されません。 太文字かつ大きな文字で「どーん」と明記されています。 去年までは、シャーペンを

使っても、何も言われなかったのに・・・。 小学生の頃からシャーペン派だった富太郎は、記述式の増点

よりもショック。 昨今、ひんぱんに電子機器を使った受験の不正が報道され、「とうとう」という感じ。

『あ~、迷惑!』 というわけで、今回は「えんぴつ」です。 よろしくお願いしますよ、えんぴつさん。

 〇 えんぴつ、いつから

 筆記具と言えば、西洋では「羽ペン」。東洋では「墨と筆」のイメージです。 じゃあ、えんぴつは何時
から? 業界調べでは、1564年のイギリスが発祥らしいです。歴史年表でその年にあった日本の出来事が、
「三河一向一揆、徳川家康に降伏」。 昨年の大河『どうする家康』では第8回「三河一揆どうする!」と
第9回「守るべきもの」の2回に渡って取り上げられました。住職役の市川右團次さんがかっこ良かった。
家康を裏切り、家康を撃った 本多正信 役の松山ケンイチさんは、「虎に翼」でも 裁判官桂場 役で出ていま
すが、最初に見たときの印象が「本多正信と一緒だ」。 人物設定も偏屈で、近いものがある気がします。
 話を 徳川家康 に戻しますと、日本に現存する最古のえんぴつは、家康の遺品として残されたものだそう
です。家康が亡くなったのが1616年でえんぴつ発祥から約50年。 そして、えんぴつが日本で定着する
のは、明治に入ってからなので約250年後。 明治から現代までよりも長いというのが、何か不思議。
 〇 えんぴつが一本
♪「エンピツが一本 エンピツが一本 君のポケットに エンピツが一本 エンピツが一本 君のこころに
 夏の海辺の約束も もう一度会えない淋しさも 黒いあたまの 悲しいエンピツが一本だけ」
 小学生の頃「みんなの歌」で、坂本九さん が、歌っていました(1967年)。 この歌詞は4番です。
1番から3番までは、「青い空をかく時も 真っ赤な夕焼けかくときも」「明日の夢をかくときも 昨日の
思いでかくときも」「小川の水のゆくすえも 風と木の葉のささやきも」でした。
 子どもの頃、なんで「えんぴつ」が一本なんだろうとは思いましたが、最後の『悲しい』はあまり記憶に
残りませんでした。 もしかしたら、時間の関係で4番は歌っていなかったのではないか、なんて思ったり
して。 この歌の作詞作曲は、浜口庫之助 先生。同じころ、やはり九ちゃんも歌った『涙くんさよなら』
(1965年)、『バラが咲いた』(マイク真木、1966年)、『夜霧よ今夜もありがとう』(石原裕次郎、
1967年)とヒット曲を連発していましたが、ほかの曲はみな「彼女が出来たんだ」的な、救いがあるのに
この曲だけは、「悲しい」別れ(?)。 今となっては『その心は?』を聞くことはできないのだけれど。
でも、九ちゃんの大ヒット『上を向いて歩こう』(作詞:永六輔)も、終わりは「ひとりぽっちの夜」か。
 高度成長期も、ひとりひとりの心の中は「ちょっと、孤独」だったのかなぁ。
 〇 青えんぴつ
 富太郎、高校3年の夏の甲子園。やせっぽちだった富太郎が注目したのが、愛知県立国府(こう)高校。
愛知と言えば、中京・東邦・享栄等々、私学の強豪が目白押しのなか、エース青山投手の活躍で、初出場。
しかも、この青山投手が179㎝、61㎏の超細身で、アンダースロー。しかも、白帽子ときたら、応援
するしかないじゃないですか。 対戦相手の柳井商業とは投手戦の末、8回の表にけん制で3塁ランナーを
挟みながら、ランダウンプレイに失敗して、1点を取られ、そのまま0対1で負けました。 その年の
『アサヒグラフ』の当該試合の見出しは『好投の青山(国府)に無念の8回』でした。 翌年、ドラフト
3位で地元ドラゴンズに入団。10年以上プロで活躍しましたが、あまりに細くて愛称が「青えんぴつ」。
 プロ入り後も応援したかと言えば、前年最下位だった長嶋巨人がリーグ優勝し(日本シリーズでは阪急に
負けたけど)、そちらの全力応援で精一杯でした。 申し訳なし。
 同じころ、友人何人かが「同人誌」を作って(当時流行っていた)、富太郎もカンパして1冊もらったら
その中に『汗をかいて、ほっぺたに絆創膏を貼った、メガネのえんぴつが「ぼくは野球選手になりたかった
んだ」』と言う詩が載っているのを読んで、「オレじゃねぇか!」と思った、富太郎でした。 中二病?

 小学生の頃、周りの友達が使っていた、えんぴつの
芯の先っぽだけが、幾つも筒に入っていて、先が丸く
なったら、抜いてペン軸の上に差し込むと、新しい先
っぽが押されて出てくる筆記具の名前が思い出せなく
て、しばらく悶々としていた   富太郎
(奥に聞いたら、あっさり「『ロケット鉛筆』でしょ」
と言われ、調べたらその通りだったのだけれど、『ロケ
ット鉛筆』と聞いても、ピンとこなかったということは、
「物忘れ」ではなく、「もの知らず」だったわけで、
なんと時間を無駄にしたことよ。 暗記に使えよぉ!)


 フォト/20年くらい前に、最初の国家資格挑戦だった
「中小企業診断士試験」受験のために(その年からマーク
シートになった)奥が買ってきてくれた「マークシート用
鉛筆セット」。 毎年試験会場に持参はしていたものの、
記入はシャーペンを使っていたので、実戦は未経験。
オールドルーキーいよいよデビュー予定。 頼むよっ!!





2024年06月07日