富太郎の日常179 『 さんさん 』

 先週から雨続き。 ♪「雨 潸々(さんさん)と この身に落ちて・・・」 美空ひばりの『愛燦燦』

雨降りの時、時々この歌を思い出します。 サラリーマンだった遥か昔、A先輩の昇進祝いの席でカラオケ

好きのAさんご自身がこの曲を歌われました。 間違いなくご栄転だったのですが、そこは微妙なサラリー

マン社会。 Aさんの本心は、①「嬉しい」、②「哀しい」、③「この歌が好き」。 答えは・・・、

今でもわかりません。 『燦燦』とは、太陽などの光がきらきらと輝くさま(広辞苑)だそうです。

 〇 ♪「わずかばかりの運の悪さを 恨んだりして」

 ♪「・・・僕はついてるね~ 」という心持で(無理やり)生きている富太郎でも、『運、悪ぅ!』と

思うのは、鼻をかんで、1回ではかみ切れずにティッシュに手を伸ばしたら、箱が空になっていた時。

 先日、ゴルフ練習場で鼻水が出てきて、備え付けのティッシュの所へ行こうとしたら、どこかの奥様も

鼻をかんでいて、ちょうど箱が空になった様子。そこで知らん顔で立ち去るのではなく、スタッフのお姉さ

に新しい箱を出すように頼んでいました。ご本人はかみ終わっていたのに。 別の時には、どこかのおじさ

んが、ティッシュ箱から立て続けに5、6回引っ張り出したかと思ったら、その大量のティッシュで1回

「チン」。 時々奥から「そういう立ち居振る舞いって、外でも出るよぉ。」って注意を受けるのですが、

このおじさんは、「家でもそうなのかなぁ」って思ってしまいましたよ。

 類例「トイレットペーパー」。 八百万の神にお願いしまくっている富太郎は、「トイレの神様」も

もちろん信じているので、トイレットペーパー切れの時には、喜んで替えさせていただいています。

昔『後から来る人のために』と、ハイカーが山小屋にパンシロンを置いていくというCMをやっていました

が、今だと『不審物』として警察に通報されそうですね。

 『潸々』とは、①涙の流れるさま、さめざめ ②雨の降るさま、はらはら(広辞苑)だそうです。

 〇 ♪「人生って 不思議なものですね」

 雨の午後、プライム・ビデオで映画『そして、バトンは渡された」」を観ました。 本屋大賞を受賞した

瀬尾まいこ さんの小説が原作ですが、いやぁ良かった。 昨今、マンガが原作のドラマが原因で、原作者の

方が亡くなるという悲しい出来事が問題となっています。 この映画も富太郎の記憶の原作とは、違う部分

が有るような気もしますが、原作の空気感を非常にうまく出し、かつわかり易く、楽しく仕上がっていると

思いました。2時間があっという間。 こういう脚本なら、原作者も悲しまないのではないかと・・・。

 映画の中で、傷心の小学生時代の主人公が、雨の中で踊るシーンなど、『雨に唄えば』のジーンケリーを

彷彿とさせ、名作へのオマージュも感じられました。 脚本の 橋本裕志 さんが、かつて「ショムニ」や

「ウォーターボーイズ」の脚本も担当していたと知って、なんだか嬉しくなりました。 主人公の3人目の

お父さん役の 田中圭さん が、「ウォーターボーイズ」に出ていたというのも、不思議なご縁かも。そして

何よりも、主人公の 優子ちゃん の人生そのものが、不思議に満ちています。2番目のお母さんの『笑って

いれば、ラッキーが転がり込む』という言葉を、地で行っているよう。 いい子だよなぁ。

 〇 ♪「風 散々(さんざん)と この身に荒れて」

 雨も多かったけど、風も強かったこの1週間。 花粉症、全開。 飲み薬に、点鼻。寝る時は鼻テープ。

♪「思いどおりにならない夢を 失くしたりして・・・」 いえ、まだ諦めていません。 去年の司法書士

試験の最高齢合格者は、82歳だそうです。 まだ16年もある。 って、そこまで生きられるのかなぁ?

♪「お前のおかげで いい人生だったと 俺が言うから 必ず言うから」(さだまさし「関白宣言」)

♪「倖せの形くらい 私に決めさせて」(さだまさし「向い風」)

♪『それでも未来たちは 人待ち顔して微笑む 人生って嬉しいものですね』

 『散々』とは、容赦なくはげしいさま、ひどくみじめなさま(広辞苑)だそうです。

 『燦燦』も『潸々』も『散々』も、広辞苑の同じページの、同じ段に載っていました。 小椋佳、天才!

 エンディングは、♪「いっぽ にほ さんぽ サンサンサン」 さんキュー!!  今日から、さん月。


 来年度の、マンションの役員さんが内定した

 富太郎

(「廻って来るの、早くないですか?」「お役に

 立てるとは思えませんよ」等々抵抗するも、

 『順番ですから』の一言に、押し切られる。

♪「わずかばかりの 運の悪さを 恨んだりして」

 いえ、『順番です。』)


 フォト/あまりにも映画が良くて、読み直している

『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ(文春文庫)

 小説は、小説で読みやすいけれど濃密で、あらためて

 感動しました。 映画には出てこない、大家の

 おばあちゃんとのふれあいの場面も、いいんです。

 それにしても、2番目のお父さん。大金持ちの

 泉が原さん の相続関係がとても気になるのは、職業病

 でしょうか(って、まだ試験に受かっていないけど)。




2024年03月01日