富太郎の日常150 『 キャプテン 』
何という不覚! 50年近く、何10回と読み返した『キャプテン(原作ちばあきお)』に映画の実写版
があったとは・・・。 アニメ劇場版は、社会人になった時の新人研修の宿舎で観ました。宿敵青葉学院の
控えのピッチャーが江川卓風、ファーストの左打者・加藤が一本足打法だったような記憶があります。
野球漫画の実写化は、嘘くさくなりがちだし、東京МXの放映で「どんなもん?」とは思ったのですが。
○ オマージュ
たぶん、『キャプテン』を読んだことのない人には、平凡なご都合主義のドラマと取られそうですが、
富太郎は、「これはあの場面」「こんどはあそこの場面」と、原作の漫画がありありと甦り、何度か涙も。
監督脚本を担当した 室賀厚 という方は存じ上げませんが、きっと『キャプテン』大好き少年だっただろう
ことが、想像されます。 原作のジャンプ連載から30年も経ての映画化は、根強いファンが有ってこそ。
ピッチャーの名前が、原作では 松下 ですが、映画では メガネの中山 。中山というのは、「キャプテン」
に続く作品「プレーボール」墨谷高校の 背番号1 の名前で、「プレーボール」を連想させます。 そして、
「俺がキャプテンの丸井だ。」というエンディングのセリフは、谷口君から丸井、イガラシ、近藤と連なる
墨谷二中のキャプテンの系譜を、いやでも思い出させる秀逸な一言だと、ニヤリとしてしまいました。
♪「若い日はみな 何かをめざせ 秘めた力 自分じゃわからないよ 夢を大きく持とう そうだ
とびきり でかく・・・」 TVアニメの主題歌が、挿入歌として使われていて、感慨一入。
○ 出演者
主人公の谷口タカオを演じた 布施紀行 君がいい。台詞が棒読みと批判する向きもあろうかとは思いますが
谷口君はシャイなんです。その雰囲気が良く出ていました。紀行君のお父さんは、伊藤家の食卓の 布施博。
筧利夫の父ちゃん、宮崎美子の母ちゃんがいい。 富太郎的には、父ちゃん母ちゃんはもうちょっと歳が
行っているイメージでしたが、下町の人の良さとやさしさがにじみ出ていました。 ちょこっ、ちょこっと
差し込まれる(例えば、球場に応援に行くのにお酒を持参しようとするくだり等)エピソードも、秀逸。
原作にはない、顧問の三咲先生(小林麻央)がいい。 これも女の先生が出てくることに違和感を抱く
ファンも多いかもしれませんが、いろいろなエピソードつなぐ、狂言回し的な役割をコミカルに演じて
いました。 特に、最初は野球に興味がなく仕方なく顧問をやっている感が強かったに、勝ち進むと、急に
黄色のジャージ上下で、竹刀をもってグラウンドに仁王立ち。 これって、「プレーボール」の強豪校に
「こんな監督いたなぁ」と思っていたら、タカオの担任の男の先生に「5割引きですか。赤札が付いていま
すよ。」って冷やかされて、慌てて赤札を隠すという追撃も。 ぽたんちゃんと勸玄くんのお母さん。
お二人も、いつかこの作品を観ることがあるのでしょうか。 『恋のから騒ぎ』にも出ていましたね。
原作よりも、たびたび登場する新聞部の女子部員(岩田さゆり)。 谷口君に興味津々か?
○ 江戸川区立上一色中学 西尾先生
全国中学野球大会(全中)の常連で、今年も都大会で優勝し、全国行きを決めている公立の強豪校。
プロ野球選手や、今年の甲子園に共栄学園、専大松戸から出場する選手等、多数のOBを育てています。
先生ご自身は、特筆すべき野球経験は無いようであり、野球部の顧問になったのも、教師になられてすぐ
ではなさそうなので、墨二の三咲先生的なものを勝手に感じています。 先生の指導方針が「選手たちの
上手くなろうという気持ちを第一に」「フルスウィングの空振りOK!」というので、「キャプテン」
「プレーボール」を読んだ世代ではないかなと思ったら、案の定、富太郎と同じ1957年生まれ。 以上、
あくまでも富太郎の「推測の域」の話であります。
○ TOKYO MX (東京メトロポリタンテレビジョン)
東京で「テレビ東京」に続く6番目の民放テレビ局。筆頭株主はFM東京で東京都も出資しているよう。
「キャプテン」実写番が放送されるという記事を読んで、新聞を探すとテレビの番組欄にはなく、ラジオや
tvk(テレビ神奈川)等、昔のUHF局と一緒の紙面。これまでは、番組チェックしていませんでした。
で、ブルーレイの録画機能で番組表を出しても、出てこないし・・・。なんとサブチャンネルがあるとは。
おかげさまで無事録画でき、楽しい時間を過ごすことができました。よかった、よかった。ありがとう。
それにしても、この放送局。侮ることなかれ。みな再放送ではありますが、そのアニメのラインナップの
充実していること(「アニメポータル!」とくくられている)。あの「古見さんは、・・」を放映中!!!
現役時代に応援していた、元巨人の堀田外野手
背番号44(北海高校-中央大学)の息子さんが
お父さんの母校北海高校の選手としてベンチ入り
しているのを見て、なんだか嬉しくなった 富太郎
(背番号18の控え選手ですが、円陣の顔を見て、
一目でわかりました。延長で勝利。2回戦へ)
フォト/『キャプテン』の単行本 第1巻 集英社
ジャンプ・コミックス 1974年4月30日 初版発行
1975年3月31日 8版発行 320円
国立駅北口にあった小書店「リーブル三樹」で購入。
余 談
甲子園で「盛り上がりが足りない!」コールは
あがるのか問題は、開会式直後の第1試合。1回表の
土浦日大の攻撃で、いきなり爆発。元祖の秀明日立と
同じ茨城の代表。 その後も浦和学院はじめ、連日
どこかの学校のアルプススタンドから聞こえてきて
います。 まあ、声がよく通ること。盛り上がってます。